農作物共済

1. 共済目的

水稲および麦

2. 共済事故

風水害,干害,冷害,雪害,その他気象上の原因(地震および噴火を含みます)による災害,火災,病虫害および鳥獣害による農作物の減収(水稲の品質方式および麦の災害収入方式にあっては,水稲および麦の減収または品質の低下を伴なう生産金額の減少)。

3. 加入

水稲および麦の耕作面積の合計が農業共済組合が定める面積以上であり,かつ農業共済組合の区域内に住所を有する方は組合員としての資格を持ち,加入することができます。なお,加入にあたっては個々の農業者(個人または法人)のほか,一定の要件を備えた農業生産組織もその生産組織単位で加入できることになっています。

4. 引受方式

引受には,耕地一筆ごとの損害を対象とする方式と組合員ごとの損害を対象とする方式があります。どの方式に加入したかによって共済金額,共済掛金および支払共済金が異なります。なお,引受方式については,農業共済組合が共済規程で複数の引受方式を選択できることとし,一筆方式および半相殺方式にあっては個々の組合員がこれらの方式を選択でき,全相殺方式,品質方式および災害収入方式にあっては出荷資料等により収穫量(および生産金額)を適正に把握できる組合員に限りこれらの方式が選択できます。

農作物共済の引受方式の概要
引受方式 対象農作物 説明
一筆単位方式 水稲
 耕地一筆ごとの減収量(その耕地の基準収穫量から収穫量を差し引いた数量)が,基準収穫量に組合員が選択した共済金支払開始損害割合(以下,支払開始割合)を乗じた数量を超えた場合に,共済金を支払います。
半相殺農家単位方式 水稲
 組合員の被害耕地に係る減収量の合計が,その組合員の基準収穫量の合計に組合員が選択した支払開始割合を乗じた数量を超えた場合に,共済金を支払います。
全相殺農家単位方式 水稲
 組合員の減収量(その組合員の基準収穫量から収穫量を差し引いた数量)が,その組合員の基準収穫量に組合員が選択した支払開始割合を乗じた数量を超えた場合に,共済金を支払います。
品質方式 水稲  組合員ごとに,品質を加味した収穫量が基準収穫量を下回り,かつ,基準生産金額の9割額から生産金額を差し引いた額が,基準生産金額に組合員が選択した補償割合を乗じた金額を下回った場合に,共済金を支払います。
災害収入方式
(注)
  1. 一筆とは,農道,けいはん,水路等をもって判然と区画された耕地をいいます。
  2. 基準収穫量とは,いわゆる平年収穫量のことで,組合が耕地ごとに設定します。
  3. 基準生産金額とは,いわゆる平年的な生産金額で,組合員ごとに過去5か年間の出荷資料等を基礎として組合が設定します。
  4. 生産金額は,組合員ごとに品質の程度ごとの収穫量と,引受時に定めた単位当たり共済金額を基に組合が設定します。
  5. 支払開始損害割合または補償割合は,組合が共済規程において定めた割合のなかから,組合員が個々に選択します。

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5. 共済責任期間

(1)水稲
水田移植期(直播の場合は発芽期)から収穫をするに至るまでの期間
(2)麦
発芽期(移植の場合は移植期)から収穫をするに至るまでの期間

6. 共済金額

引受方式ごとに,次により設定します。

(1)一筆方式
単位(kg)当たり共済金額 × 耕地の基準収穫量の7割(6割・5割)
(2)半相殺方式
単位(kg)当たり共済金額 × 組合員の基準収穫量の8割(7割・6割)
(3)全相殺方式
単位(kg)当たり共済金額 × 組合員の基準収穫量の9割(8割・7割)
(4)品質方式および災害収入方式
共済目的の種類ごとおよび組合員ごとに,基準生産金額に最低割合(4から6割の範囲内で組合が定めます)を乗じて得た金額から組合員が選択した補償割合(組合員の選択により9割・8割・7割)を乗じて得た金額を超えない範囲内で,組合員が申し出た金額です。
基準生産金額 × 4〜6割 =< 基準生産金額 × 9割(8割・7割)

7. 共済掛金

(1)共済掛金
共済掛金の額 = 共済金額 × 共済掛金率
  • 共済掛金率は,農林水産大臣が過去一定年間(原則20年間)における被害率を基礎として定める基準共済掛金率を下らない範囲内において,組合が設定します。
  • 共済掛金率は,組合の区域ごとに定めますが,区域内の地域または組合員の被害率等に応じた危険段階別の共済掛金率を設定することもできます。
  • 基準共済掛金率は,一般に3年ごとに改定が行なわれます。
(2)共済掛金に対する国庫負担
ア. 水稲
国庫は,共済掛金について,共済金額に基準共済掛金率を乗じて得た金額の2分の1を負担します。
イ. 麦
国庫は,共済掛金について,共済金額に基準共済掛金率および次表の超過累進方式により算定される国庫負担割合を乗じて得た金額を負担します。
麦の掛金に対する国庫負担割合
基準共済掛金率の区分 国庫負担割合
3%を超える部分 55%
3%以下の部分 50%

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8. 損害発生の通知および損害評価

(1)損害防止
組合員は,共済目的について通常すべき管理その他損害防止に努める義務を有しています。組合は,農業者に対する損害防止についての指導や自ら損害防止事業を行なうことができます。
(2)損害発生通知
組合員は,共済事故が発生した時および共済金の支払を受けるべき損害があると認められる時は,遅滞なく組合に通知しなければならないこととされています。
(3)損害評価
損害評価は,農業者の損害発生通知を受けて,農林水産大臣が定める損害認定準則により行なわれます。
ア. 組合
組合は,次により現地調査を実施し,現地調査終了後,損害評価会の意見を聴いて,耕地ごとまたは組合員ごとの共済減収量(または減収量および生産金額の減少額)を認定します。
一筆方式・半相殺方式 損害発生のあった全ての耕地について収穫前に収穫量を検見または実測の方法により調査。
全相殺方式 損害発生通知のあった組合員の全てについて乾燥調整施設の計量結果により収穫量を調査(収穫物を乾燥調整施設に搬入しない耕地については,検見または実測の方法により調査)。麦については,売渡数量により調査することも可。
品質方式および災害収入方式 損害発生通知のあった組合員の全てについて農協等の出荷資料により収穫量,品質の程度および生産金額を調査。
イ. 連合会
連合会は,組合の認定結果を検定するため,組合の現地調査終了後,抜取調査を行ない,損害評価会の意見を聴いて組合ごとの共済減収量(品質方式および災害収入方式にあっては減収量および生産金額の減少額)を認定します。

9. 共済金

(1)共済金の支払額
ア. 一筆方式,半相殺方式および全相殺方式
  • 共済目的の種類等ごとに,組合員が選択した支払開始割合と方式に応じて,それぞれ次により算定される共済金が支払われます。
  • 共済金の支払額 = 単位当たり共済金額 × 共済減収量
  • 共済減収量は,次により算定します。ただし,発芽不能または移植不能の耕地の共済減収量は,実損害額を勘案してその耕地の全損の場合の共済減収量の2分の1として算定されます。
一筆方式(支払開始割合: 3割を選択した場合)
共済減収量=(被害耕地の基準収穫量−被害耕地の収穫量)−被害耕地の基準収穫量×0.3
半相殺方式(支払開始割合: 2割を選択した場合)
共済減収量=被害耕地に係る基準収穫量の合計−被害耕地に係る収穫量の合計)−農業者の基準収穫量×0.2
全相殺方式(支払開始割合: 1割を選択した場合)
共済減収量=(農業者の基準収穫量−農業者の収穫量)−農業者の基準収穫量×0.1
  • なお,水稲については,過去の共済事故の発生状況,水稲に係る農作物共済の収支の状況等が農林水産大臣の定める基準に適合する組合は,一筆方式は2割を超える減収となった耕地に対し,半相殺方式は1割5分を超える減収となった組合員に対し共済金が支払われます。
イ.品質方式および災害収入方式
  • 共済目的の種類ごとに,品質を加味した実収穫量が基準収穫量を下回り,かつ,生産金額が特定農作物共済限度に達しない組合員に対し,次により算定される共済金が支払われます。
  • 共済金の支払額=(特定農作物共済限度額−生産金額)×共済金額÷特定農作物共済限度額
  • 〔特定農作物共済限度額=基準生産金額×0.9(または0.8,または0.7)〕
(2)農業者単位における共済金支払の特例
半相殺方式および全相殺方式において,共済事故により収穫皆無となった耕地がある場合で,(1)のアの算式により算定される共済金の額が次式により算定される共済金の額より小さい時は,次式により算定された共済金が支払われます。
支払開始損害割合が半相殺方式(2割),全相殺方式(1割)の場合
特例支払の共済金=単位当たり共済金額×収穫皆無耕地の基準収穫量×0.7(発芽不能または移植不能による収穫皆無は0.35)
(注)収穫皆無耕地の基準収穫量に乗じる割合は,支払開始損害割合に応じて変動します。


損害率とてん補率
(注)
  1. 単位当たり共済金額は最高のものを選択(水稲の品質方式および麦の災害収入方式は共済金額を特定農作物共済限度額と同額)している場合です。
  2. @は,全相殺方式(支払開始割合1割),または水稲の品質方式および麦の災害収入方式(補償割合9割)を選択した場合。
  3. Aは,半相殺方式および全相殺方式(支払開始割合2割),または水稲の品質方式および麦の災害収入方式(補償割合8割)を選択した場合。
  4. Bは,一筆方式,半相殺方式および全相殺方式(支払開始割合3割),または水稲の品質方式および麦の災害収入方式(補償割合7割)を選択した場合。
  5. Cは,一筆方式および半相殺方式(支払開始割合4割)を選択した場合。
  6. Dは,一筆方式(支払開始割合5割)を選択した場合。

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10. 組合,連合会および政府の責任分担

組合ごとの共済金額のうち,通常標準被害率以下の部分(通常災害部分)について組合と連合会が歩号により責任を分担し,通常標準被害率を超える部分(異常災害部分)について連合会の保険に付し,連合会ごとに異常標準被害率を超える部分については政府が再保険します。




農作物共済責任分担の概要
(注)
  1. 通常標準被害率は,通常災害部分と異常災害部分を決めるための基礎となる被害率です。
  2. 通常責任保険歩合は,通常災害部分のうち組合が連合会に付保する割合で,組合ごとに1から3割の範囲内で農林水産大臣が定めます。
  3. 異常標準被害率は,連合会と政府の責任分担を決めるための基礎となる被害率です。

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